県は本当に知らなかったの?(補助金目的外使用) 3-3

2010年度 ▷2010年度(平成22年度)「モデル住宅」成果報告 来場者 876名 

2011年度 ▷2011年度(平成23年度)「モデル住宅」成果報告 来場者 3043名

2012年度 ▷2012年度(平成24年度)「モデル住宅」成果報告 来場者 4002名


2013年度(平成25年度)は、会計検査が入り、「目的外使用」の指摘を受けたため、成果報告なし。


これらの報告は、2010年4月、地域住宅モデル普及推進事業で久山町が国交省に補助金申請し、町に補助金が交付された後、年度末に町が国交省へ「成果」報告したものである。


補助事業というのは、補助の期間中、厳しくチェックされる。それは国の補助金というものが、国民の血税でまかなわれているため、使い道が厳正に規定されているからである。


ただ、この「モデル住宅事業」は単年度の事業であり、補助金交付後のモデル住宅の運営は、事業主体(=町)に任されていたことから、盲点になっていたのではと思われる。



そしてこの成果報告。876名・3043名・4002名、と尋常ではない数字が並んでいる。実際は、会計検査院の検査では、2010年開始月の4名のみである。久山町は当初から計画を偽り、モデル住宅を子育て支援施設「木子里」へまったくの用途外に転用するつもりで補助申請していたと捉えられる。


そして、この年度末、国交省へ送られた成果報告書。実は、久山町が作成したのではない。県が各事業主の報告を取りまとめ、県のフォーマットで報告を作成し、国交省へ送付している。つまり、この3ヶ年の報告書は県が作っている。みてわかるとおり、建物はモデル住宅とは思えない、奇妙な横長の建物で、3ヶ年とも利用者の感想は同じ。そして、見学者の数にしては尋常ではない数。福岡県は、この奇妙な横長の建物の写真に、住宅購入のために訪れたとは思えない人の感想をまとめ、尋常ではない見学者数を毎年書き込んでいながら、変だとは思わなかったのか?住宅行政に通じたプロの職員揃いの福岡県庁がぼ~っとして4年も気づかなかったとは考えにくいのだが。最初から気づいていたら大問題だ。補助金適正化法違反、処罰の対象となる。だが、最初は怠慢で見落とし、国交省に申請書を通していたとしても、4年間のどの時点かで福岡県は久山町の違法に気づいていたのではないか。補助金を拠出しているのはあくまでも国交省で、県は申請書類の橋渡し役でしかない。しかも、「地域住宅モデル普及推進事業」は国交省が久山町の口座に補助金を振り込んだ2010年4月5日で事実上終わっている。その後に「不測の事態」に気づいても県の立場は法的責任を問われない。となると、福岡県は久山町の違法に気づいていても、見て見ぬふりをしていたのではないか。その上で県は、久山町に、子育て支援センター事業「地域子育て支援拠点事業」に県独自の補助金を付けていた…県の住宅担当課と子育て支援課とは情報共有されず、住宅担当課が目をつむっていたのでは。そんな思いがしている。そうでないと、この3ヶ年の成果報告書。取りまとめているうちに「なんか変だぞ?」と思うのが普通ではないだろうか。


それは、私の県知事への審決申請、2021年12月21日の県庁での口頭意見陳述「2時間10分ぶっ通しの会議」という異常な事態や、審決棄却後の奇妙な県側の動きからも、この「目的外使用」への福岡県庁の何やら「うしろめたさ」を感じるのである。

(了)





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